- 2026年8月14日
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富士フイルムは2026年9月8日、映像制作用カメラ「FUJIFILM GFX ETERNA 55」専用の電子ビューファインダー「VF-GFXC2」を発表した。
発売は2026年中を予定し、価格はオープン。
VF-GFXC2は、2048×1536ドットの高解像度OLEDパネルと最大1000nitの高輝度表示を採用した、GFX ETERNA 55専用の電子ビューファインダーだ。
最大の特徴は、一般的な16:9ではなく4:3アスペクト比の表示パネルを採用していること。
GFX ETERNA 55が備える43.8×32.9mmのラージフォーマットセンサーを最大限使用した4:3オープンゲート撮影時に、撮影領域全体を余すことなく表示できる。
さらにファインダー倍率は1.0倍。大型アイカップによる外光の遮断、アルミ削り出しの一体型外装、ファンクションボタン、誤操作を抑える視度調整ダイヤルなど、映画・CM・ドラマ制作を想定した実戦的な設計を採用している。
GFX ETERNA 55は2025年10月に発売された富士フイルム初の本格的な映像制作用カメラ。
そこへ今回、カメラの特徴でもある4:3オープンゲートに最適化した専用EVFが追加される。
単純な「後付けファインダー」ではなく、ETERNA 55をより本格的なシネマカメラシステムとして完成させるアクセサリーと見るべき製品だ。
富士フイルムが今回発表した「VF-GFXC2」は、GFX ETERNA 55専用に設計された電子ビューファインダーだ。
製品名は、
FUJIFILM GFX ETERNA 55用ビューファインダー「VF-GFXC2」
発売時期は2026年中。
価格はオープンとなっている。
主な仕様は以下の通り。
| 項目 | VF-GFXC2 |
|---|---|
| 対応カメラ | FUJIFILM GFX ETERNA 55 |
| パネル | 0.64型 OLED |
| 解像度 | 2048×1536ドット |
| アスペクト比 | 4:3 |
| 最大輝度 | 1000nit |
| ファインダー倍率 | 1.0倍 |
| サイズ | 約74.1×71.3×123.3mm |
| 重量 | 約370g |
| 接続 | 専用ケーブル |
| 発売 | 2026年中 |
| 価格 | オープン |
富士フイルムは、映像制作用カメラ向けEVFとして2048×1536ドットを「業界最高クラス」としている。
単純な解像度だけでなく、GFX ETERNA 55の撮影フォーマットに合わせて表示パネルそのものを4:3にしたことが今回のポイントだ。

VF-GFXC2には2048×1536ドットのOLEDパネルを採用する。
最大輝度は1000nit。
シネマカメラのEVFでは単純に映像が表示されればよいわけではない。
撮影現場では、
フォーカスが正確に合っているか
ハイライトやシャドウがどのように見えているか
フレームの端に不要なものが入っていないか
などを瞬時に判断する必要がある。
特にGFX ETERNA 55は43.8×32.9mmという大型センサーを搭載する。
ラージフォーマットでは被写界深度を浅くした表現も多く、フォーカス位置の微妙な違いが画面の印象を大きく変える。
2048×1536ドットの高解像度と1.0倍のファインダー倍率は、こうした精密なフォーカス確認にも重要になる。
さらに最大1000nitの高輝度表示によって、屋外など周囲が明るい環境でも映像を確認しやすくする。

VF-GFXC2の本質は解像度だけではない。
最も重要なのが、表示パネルのアスペクト比が4:3であることだ。
一般的な映像制作では16:9が広く使われている。
そのためカメラのモニターや外部モニターも16:9を前提としたものが多い。
しかしGFX ETERNA 55は、一般的な35mmフルサイズとは大きく異なる43.8×32.9mmのGFXセンサーを搭載している。
その大きな撮像領域を縦方向まで最大限活用するのが、4:3オープンゲート撮影だ。
VF-GFXC2は、この4:3映像を4:3パネルへそのまま表示する。
つまり16:9パネルへ4:3映像を表示した際に発生する左右の余白を減らし、EVFの表示領域を効率よく使える。
富士フイルムが「ETERNA 55専用」として新たにEVFを設計した意味は、ここにある。
オープンゲートとは、イメージセンサーの有効領域を可能な限り広く使用して記録する撮影方式だ。
通常の16:9撮影では、センサー上部と下部の一部を使用せず映像を切り出す場合がある。
対してオープンゲートでは、センサーの縦方向まで使用する。
GFX ETERNA 55が搭載するGFX 102MP CMOS II HSセンサーのサイズは、
43.8×32.9mm。
対角は54.8mm。
35mmフルサイズと比べても約1.7倍の面積を持つ大型センサーだ。
ETERNA 55では、このセンサーを生かした4:3オープンゲート記録に対応する。
最大48fpsでの撮影が可能で、単に横方向へ広い映像を撮るだけではなく、非常に大きな撮像面積を映像制作へ利用できる。
4:3センサーがシネマ制作で重視される理由の一つが、アナモルフィックレンズとの相性だ。
アナモルフィックレンズは、水平方向の映像を光学的に圧縮してセンサーへ記録し、撮影後またはモニタリング時にデスクイーズして本来の横長映像へ戻す。
このとき、縦方向にも広い4:3フォーマットを使用できるメリットは大きい。
GFX ETERNA 55では、
という5種類のシネマフォーマットを選択できる。
中でも大型GFXセンサーと4:3オープンゲートを活用できることは、ETERNA 55の特徴の一つとなっている。
今回のVF-GFXC2は、その特徴をモニタリング環境側から補完する製品だ。
スペックシート上でオープンゲートに対応するだけなら珍しい存在ではなくなってきた。
近年はPanasonic、Blackmagic Design、ARRIなど、多くの映像制作向けカメラでオープンゲート撮影が利用できる。
一方で実際の撮影現場では、記録できることと快適にモニタリングできることは別問題だ。
例えば4:3の映像を16:9モニターへ表示すると、パネル全体を使用できない。
表示される映像そのものが小さくなれば、フォーカス確認にも影響する。
VF-GFXC2では4:3の表示パネル自体を採用することで、ETERNA 55のオープンゲート映像を画面いっぱいに表示できる。
単純なスペック以上に、実際のカメラオペレーションを考えた設計といえる。
ファインダー倍率は1.0倍。
GFX ETERNA 55が持つ大きな撮影領域を、高倍率で確認できる。
映画やCMなどでは、フォーカスプラーがフォーカス操作を担当するケースもある。
一方、ドキュメンタリーや小規模プロダクション、ラン&ガン撮影ではカメラオペレーター自身がフォーカスを判断する場面も少なくない。
高解像度OLEDと高倍率表示を組み合わせることで、細かなフォーカス変化を確認しやすくしている。
また富士フイルムによれば、画面の明るさに応じて表示特性を最適化する仕組みも採用。
EVFの輝度設定を変更しても、不自然なトーンになりにくいよう調整される。
VF-GFXC2では大型アイカップを採用する。
アイカップはEVFでは一見地味な部品だが、屋外ロケでは重要だ。
通常のモニターでは太陽光が直接当たると画面が見えづらくなる。
1000nit以上の高輝度モニターでも、撮影環境によっては遮光フードが必要になる。
EVFではアイカップを目元へ密着させることで周囲から入る光を遮断できる。
VF-GFXC2ではアイカップの形状そのものも目元へのフィット感を考慮して設計。
長時間撮影での快適性と、屋外での視認性の両方を意識している。
シネマカメラでは一日を通してEVFを覗き続ける撮影もあるため、こうしたエルゴノミクスはスペック表以上に重要だ。
筐体も業務用途を強く意識したものとなっている。
VF-GFXC2は円筒形状のボディを採用。
外装にはアルミ切削による一体構造を使用する。
プロの映像制作では、カメラ機材がスタジオだけで使われるとは限らない。
屋外ロケ、移動撮影、車載、山間部、砂埃の多い場所など、機材にとって厳しい環境で使用されることもある。
さらにシネマカメラでは、
などによって、アクセサリーにも物理的な負荷がかかる。
アルミ削り出しによる堅牢な外装は、そのようなプロダクション環境を意識したものだろう。
VF-GFXC2にはファンクションボタンも搭載する。
ボタンはEVFを覗いた状態で自然に指が届きやすい位置に配置。
任意の機能を割り当てることで、カメラ本体へ手を伸ばさなくても必要な機能へアクセスできる。
シネマカメラではカメラ本体へ、
マットボックス、
フォローフォーカス、
ワイヤレス映像伝送、
バッテリー、
オーディオ、
トップハンドル、
モニター、
EVF、
など多数のアクセサリーが取り付けられる。
リグを組んだ状態では、本体のボタンへ直接アクセスしづらくなる場合もある。
EVF側に操作系を持たせることは、撮影時の導線を短くするうえでも意味がある。
視度調整ダイヤルにも特徴がある。
VF-GFXC2ではダイヤルに適度な操作荷重を持たせ、意図せず設定が変わることを抑えている。
EVFでは撮影者の視力に合わせて視度を調整する。
しかしカメラを持ち運んだ際やEVFへ触れた際にダイヤルが動くと、次に覗いたとき映像がぼやけて見える。
それを「フォーカスが外れている」と誤認する可能性もある。
プロ向け機材ではこうした小さな操作ミスをいかに減らすかも重要になる。
VF-GFXC2は派手な新機能だけでなく、長時間の現場運用まで考えた製品になっている。

VF-GFXC2を理解するには、母艦となるGFX ETERNA 55についても押さえておきたい。
GFX ETERNA 55は、富士フイルムが2025年10月に発売した同社初の本格的な映像制作用カメラだ。
最大の特徴は、
43.8×32.9mmのGFXラージフォーマットセンサー
を搭載していること。
撮像素子には約1億200万画素の「GFX 102MP CMOS II HS」を採用。
画像処理エンジンにはX-Processor 5を組み合わせる。
ダイナミックレンジはF-Log2/F-Log2 C使用時で14+stop。
さらにISO800とISO3200のデュアルベースISO、電子式可変NDフィルターなど、本格的な映像制作向け機能を搭載している。
ETERNA 55の「55」は、センサー対角が約55mmであることにもつながる。
センサーは、
横43.8mm
縦32.9mm
対角54.8mm
というサイズ。
35mmフルサイズに対して約1.7倍の面積を持つ。
映画制作ではセンサーサイズだけで画質や映画的表現が決まるわけではない。
それでも大型センサーには、レンズ選択や被写界深度、画角、階調表現などに独特の特徴がある。
富士フイルムはGFXシリーズで培ってきたラージフォーマットセンサーを、スチルカメラだけでなくシネマ制作へ持ち込んだ。
VF-GFXC2は、その大型センサーを使う撮影環境をさらに整えるアクセサリーとなる。
GFX ETERNA 55では、ラージフォーマットセンサー全体を活用する4:3オープンゲート撮影が可能だ。
最大フレームレートは48fps。
映画で一般的な24fpsを基準にすると、2倍速で撮影して50%スローへ落とすといった使い方もできる。
そして今回のVF-GFXC2は、その4:3映像をEVFの4:3パネル全体へ表示するために作られている。
カメラの撮影フォーマットとEVFの表示フォーマットを一致させた設計だ。
ここは通常の汎用EVFとの大きな違いになる。
オープンゲートというと映画やアナモルフィック撮影がまず思い浮かぶ。
しかし現在では、もう一つ大きな用途がある。
SNSへのマルチフォーマット展開だ。
現在の映像制作では、同じ撮影素材から、
16:9のYouTube、
9:16のInstagram Reels、
9:16のTikTok、
4:5のInstagramフィード、
1:1のSNS広告、
など複数フォーマットを作ることも珍しくない。
最初から16:9でタイトにフレーミングすると、後から9:16へ切り抜く余裕が少なくなる。
オープンゲートで縦方向にも広く素材を残しておけば、編集時のリフレーミング自由度が高まる。
ETERNA 55ほどのハイエンドシネマカメラをSNS制作だけのために使用するケースは限定的だろう。
ただしCMやブランドムービーを撮影し、その素材からデジタル広告やSNS版を同時制作する現在のプロダクションでは、オープンゲートの意味は以前より大きくなっている。
2026年の映像機器市場を見ると、各メーカーがシネマ領域を急速に強化している。
NikonはREDとの統合を進め、ZRへのREDWideGamutRGB/Log3G10対応やオープンゲート対応予定を明らかにした。
SonyはVENICE、BURANO、FXシリーズを展開。
CanonもCinema EOSを継続している。
Blackmagic DesignはURSA CineやPYXISなどで、幅広い価格帯をカバーする。
その中で富士フイルムは、少し異なるアプローチを取っている。
GFXという44×33mmクラスのラージフォーマットをシネマ市場へ投入したことだ。
さらにGFレンズだけでなくPLマウントアダプターを使い、Premistaや既存のシネマレンズを組み合わせられる。
今回の専用EVF投入も、単にカメラボディを発売して終わるのではなく、ETERNAを一つの制作システムとして育てていく動きと見ることができる。
現時点でVF-GFXC2の価格は公表されていない。
富士フイルムが発表しているのは「オープン価格」のみ。
一般的なミラーレスカメラ用外付けEVFとは異なり、
2048×1536 OLED、
最大1000nit、
1.0倍、
アルミ削り出し筐体、
専用4:3パネル、
プロダクション向け設計、
という仕様であることから、完全に業務用アクセサリーとして位置付けられている。
購入価格が明らかになった際には、ETERNA 55をシステムとして構築する場合の総コストにも注目したい。
VF-GFXC2は、2026年9月11日から14日までオランダ・アムステルダムで開催される国際放送機器展「IBC 2026」に出展される予定だ。
発表からわずか数日後に実機が公開されることになる。
IBCでは実際の、
などが確認できる可能性がある。
特に2048×1536という数字だけでは分からない、実際のフォーカス確認のしやすさには注目したい。
富士フイルムが発表した「VF-GFXC2」は、一見するとGFX ETERNA 55へ追加するシンプルな電子ビューファインダーに見える。
しかし、その仕様を見るとETERNA 55というカメラの特徴をかなり明確に意識した製品だ。
2048×1536ドット。
最大1000nit。
1.0倍のファインダー倍率。
大型アイカップ。
アルミ削り出し筐体。
そして何より重要なのが、4:3のOLEDパネルである。
GFX ETERNA 55は43.8×32.9mmという巨大なラージフォーマットセンサーを搭載し、その撮像領域を生かした4:3オープンゲート撮影を特徴としている。
VF-GFXC2では、その映像を4:3パネル全体に表示する。
つまり、
「4:3で撮影できるカメラ」に、「4:3を正しく見るためのEVF」が加わった。
ということになる。
アナモルフィック撮影や大型フォーマットを活用した映画・CM制作では、記録スペックだけでなく、フォーカスやフレーミングをいかに正確に確認できるかも重要だ。
ETERNA 55の発売から約1年。
専用EVFが追加されたことで、富士フイルムのシネマカメラ戦略は「1台のカメラ」から、アクセサリーを含めた本格的な制作システムの構築へ進み始めている。
そして同じ2026年、Nikon×REDをはじめ各メーカーがシネマ領域への投資を加速している。
大型センサー、オープンゲート、アナモルフィック、専用モニタリング環境。
スチルカメラメーカーとして知られてきた富士フイルムが、プロフェッショナル映像制作市場で次にどのような製品を投入してくるのか。
VF-GFXC2は、ETERNAシリーズがここからさらに拡張されていくことを予感させるアクセサリーとなりそうだ。
本記事は、RE EARTH TV編集部がメーカー公式サイト、公式発表、取材内容などの情報をもとに制作しています。
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