- 2026年8月23日
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HOVERAirは、3軸ジンバルカメラと自律飛行カメラを1台に融合した新製品「HOVERAir VERSA(バーサ)」を日本国内で展開する。
国内では2026年9月29日からMakuakeで先行販売が予定されており、数量限定価格はスターターセットが12万7,900円、オールインワンセットが16万2,600円。通常価格はそれぞれ13万9,800円、17万7,800円となる。HOVERAir VERSA最大の特徴は、普段はコンパクトな3軸ジンバルカメラとして使用しながら、専用のフライトウィングを装着すると、そのカメラ自体が自律飛行カメラへ変化することだ。
いわば、ポケットジンバルカメラとセルフフライングカメラを1台にまとめた新しい撮影機材である。
4K/60fps撮影、10-bit HDR、H-Log、AIによる被写体追尾などにも対応。単なるアイデア先行のガジェットではなく、映像制作機材としても興味深い仕様を備えている。

HOVERAir VERSAがこれまでの小型ドローンやジンバルカメラと大きく異なるのは、カメラそのものを地上と空中で共用するという考え方だ。
通常時は縦長のコンパクトな3軸ジンバルカメラとして利用できる。
歩きながらのVlog撮影や旅行、家族との記録、イベント、アウトドアなどでは、一般的なポケットジンバルカメラと同じような感覚で使用できる。
一方、空撮したくなった場合には、カメラ部分に「フライトウィング」と呼ばれる飛行ユニットを取り付ける。
HOVERAirによれば、フライトウィングを装着して電源を入れるだけで自律飛行カメラとして使用可能。複雑なコントローラー操作を前提とせず、手のひらから離陸してAIが被写体を自動追尾する。
つまり、
手持ち撮影 → AI追尾撮影 → 空撮
という異なる撮影スタイルを、ひとつのカメラでつなげられる。
撮影機材というよりも、「カメラを持ち替えなくてもカメラポジションそのものを変えられる」という発想に近い。

VERSAはカメラ部分と飛行ユニットを分離できるモジュラー構造を採用している。
カメラとフライトユニットの接続には、特許出願中という「MagLatch」システムを採用。専用のポゴピンを介してモーターへ最大5Aの電流を供給する構造となっている。
手持ち撮影をするときにプロペラ部分まで持ち歩く必要がないのは大きなポイントだ。
ジンバルカメラ単体の重量は約163g、フライトウィングは約67g。組み合わせると約230gとなる。
手持ち時には約160g台の小型カメラとして使用し、必要なときだけ約67gの飛行ユニットを追加する。
従来の「カメラとは別にドローンをバッグへ入れておく」という考え方とはかなり異なる。
旅行や登山、サイクリング、アウトドア、Vlogなど、できるだけ機材を減らしたい撮影環境との相性は特に良さそうだ。

カメラには、HOVERAir日本公式サイトによれば1/1.3インチセンサーを搭載する。
最大4K/60fpsでの動画撮影に対応し、10-bit HDRやH-Logも利用可能。HOVERAirは最大17.5ストップのダイナミックレンジをうたっている。
小型の自律飛行カメラという性格を考えると、かなり映像撮影を意識した仕様だ。
特に注目したいのがH-Logへの対応。
Vlogなどで撮影した映像をそのままSNSへ投稿するだけであれば、標準のカラーモードでも十分だろう。
一方で、Log収録ができれば編集段階で色やコントラストを追い込みやすくなり、ほかのカメラで撮影した素材との色合わせもしやすくなる。
映像制作の現場では、空撮だけ別のカメラになると色味や階調の差が目立つこともある。
VERSAは、地上撮影と空撮で同じカメラを使用するため、ひとつのシーンの中で画の統一感を作りやすいというメリットも考えられる。
なお、センサーサイズについてはHOVERAir日本公式が「1/1.3インチ」とする一方、一部国内メディアでは「1/1.13インチ」と掲載されている。現時点ではメーカー公式表記の1/1.3インチを基準としておきたい。
VERSAは使用スタイルによって画角も変化する。
公表されている仕様では、画角は手持ち時98°、飛行時110°。有効画素数は最大1,200万画素となる。
飛行時の方が広い画角となるため、被写体を追尾しながら周囲の風景まで取り込むような撮影に向いている。
アウトドアや旅行では、被写体だけではなく、その場所のスケール感や景色を同時に見せたい場面が多い。
そうした用途では110°の広い画角が生きてくるだろう。
一方、手持ちではやや画角を抑えることで、一般的なVlogや人物撮影にも使いやすくしていると考えられる。
手持ちカメラとしてVERSAを見る場合も、単なる「ドローンのカメラを取り外せる」という仕様ではない。
本体には3軸メカニカルジンバルを搭載する。
歩きながらの撮影やパン、チルトといった動きを伴う撮影でも、映像を安定させることができる。
これはVERSAを評価するうえで重要なポイントだ。
飛行機能は使うシーンが限定される一方、手持ちカメラは旅行中や日常のVlogなどで継続的に使用できる。
つまりVERSAは「たまに使うドローン」ではなく、普段は撮影用カメラとして持ち歩き、必要になったら飛ばすという運用を狙っている。
ここが従来型の小型ドローンとの大きな違いだ。

HOVERAirシリーズが得意としてきたのが、AIを活用した自律撮影だ。
VERSAでもAIが被写体を認識し、動きに合わせて自動追尾する。
HOVERAirは、複雑なコントローラー操作を必要とせず、被写体をフレーム内に捉えながら自動撮影できることを特徴としている。
この仕組みは、特にワンオペ撮影との相性がいい。
たとえば旅先で自分自身を撮影したい場合、一般的なカメラでは三脚を立てたり、同行者に撮影を依頼したりする必要がある。
VERSAなら、
・歩いている自分を追尾
・サイクリング中の自分を撮影
・キャンプ中の様子を空中から撮影
・山や海を背景に自分を入れた映像を撮影
といった撮影を、自動化できる可能性がある。
YouTubeやTikTok、Instagram Reelsなどでは、撮影者自身が出演者でもあるケースが多い。
そうした現在のコンテンツ制作環境を考えると、「カメラマンがいなくてもカメラを動かせる」こと自体が大きな機能となる。
基本的にはAIによる自律撮影が中心となるVERSAだが、オールインワンセットには小型コントローラー「MiCo」も付属する。
MiCoはコンパクトに収納でき、必要なときに展開して使用するタイプのコントローラーだ。
自律飛行だけでなく、ユーザーがより意図した構図や飛行ルートを作りたい場合には、こうしたコントローラーが重要になる。
「全部AI任せ」ではなく、撮影スタイルによって自律撮影とマニュアル操作を使い分けられる点は、映像制作用途でも気になるところだ。
記録容量については、64GBの内蔵ストレージを搭載。
さらにmicroSDカードスロットを備え、最大1TBまでのmicroSDカードに対応する。
4K/60fpsや10-bit映像を扱う場合、記録容量は急速に消費される。
そのため、内蔵ストレージだけでなくmicroSDカードへ拡張できる仕様は、長時間撮影するユーザーにとって重要だ。
旅先などではPCへ素材を移せないまま何日も撮影することもある。
1TBクラスまで拡張できれば、ストレージ容量を理由に撮影機会を逃す場面はかなり減らせそうだ。

VERSAには2,070mAhバッテリーを搭載。
公称駆動時間は、手持ちカメラとして使用する場合が最大180分、飛行時が最大14分となる。
この数字を見ると、VERSAの設計思想が分かりやすい。
飛行時間そのものを伸ばすことを最優先したドローンではなく、あくまで普段使いできるカメラに飛行能力を追加した製品だ。
14分という飛行時間は、本格的な空撮用ドローンとして見ると長くはない。
一方で、数十秒から数分程度のカットを複数撮影するセルフフライングカメラとして考えれば、使い方は大きく異なる。
たとえば、
地上で歩いているシーンを撮影
↓
フライトウィングを装着
↓
数十秒だけ上空から追尾
↓
着陸
↓
再び手持ち撮影
という使い方なら、長時間飛ばし続ける必要はない。
飛行時の最大水平速度は36km/h(10m/s)。
耐風性能はレベル5とされている。
ランニングや自転車など、ある程度速度のある被写体にも追従できる可能性がある。
ただし、自律飛行カメラという性格上、スペック上の最高速度だけでなく、実際の被写体認識性能や障害物への対応、風のある環境でどの程度安定した映像を撮れるかが重要になる。
このあたりは実機で確認したいポイントだ。
VERSAを見て、多くの人が思い浮かべるのはポケットジンバルカメラや小型ドローンだろう。
しかしVERSAの面白さは、そのどちらにも完全には属さないところにある。
ポケットジンバルカメラは手軽に滑らかな映像を撮影できる一方、カメラ位置は基本的に撮影者の手が届く範囲に限られる。
ドローンなら自由なカメラポジションを作れるが、普段の手持ちカメラとして使うことはできない。
VERSAでは、その境界をなくそうとしている。
地面から1mの目線で撮っていたカメラが、そのまま数秒後には空中へ移動する。
この撮影体験こそが、VERSAの本質だろう。
単純なスペック比較だけでは評価しにくい製品であり、「カメラをどう動かせるか」という視点で見る必要がある。
VERSAは一般的な旅行用カメラとしても興味深いが、映像制作という視点でも面白い。
特に小規模な映像制作では、撮影スタッフの人数が限られることが多い。
ワンマンオペレーションで、
メインカメラ
サブカメラ
ジンバル
ドローン
音声
まで管理するとなると、機材もオペレーションも増えていく。
VERSAのような機材で一部を統合できれば、荷物を減らしながらカメラポジションを増やせる。
もちろん、本格的な業務用ドローンや大型センサーカメラを置き換えるものではない。
しかし、
・企業SNS動画
・観光PR
・イベント記録
・YouTube
・Vlog
・旅動画
・ショート動画
・舞台裏映像
などでは、メインカメラでは撮りにくい数秒のカットを追加するカメラとして面白い存在になる可能性がある。
特にSNS動画では、映像の冒頭数秒に視点変化を作れるだけでも印象が大きく変わる。
手持ちから空撮へそのまま移行できるVERSAは、そのための新しい道具になり得る。

VERSAを日本で使用する際には、飛行ルールにも注意したい。
VERSAはジンバルカメラ約163g+フライトウィング約67gで、飛行時の重量は約230gとなる。
日本では、機体本体とバッテリーを合わせた重量が100g以上の無人航空機は航空法の規制対象となる。
国土交通省によれば、100g以上の無人航空機は機体登録が必要で、登録記号の表示や原則としてリモートIDへの対応も必要となる。
そのため、VERSAも「小さいから自由にどこでも飛ばせる」という製品ではない。
空港周辺や人口集中地区(DID)、夜間飛行、目視外飛行など、飛行場所や飛行方法によっては国土交通省の許可・承認が必要となる場合がある。
また、航空法とは別に、小型無人機等飛行禁止法、自治体や施設管理者によるルール、私有地の許可なども確認する必要がある。
VERSAの手軽さは大きな魅力だが、飛行機能を使う際は一般的なドローンと同様に国内ルールを確認する必要がある点は覚えておきたい。

国内Makuake先行販売では、2種類のセットが用意される。
数量限定価格:12万7,900円
通常価格:13万9,800円
セットにはVERSA本体、プロペラキット、多機能三脚、ジンバルプロテクター、充電ハブ、バッテリー、HOVERCAREなどが含まれる。
数量限定価格:16万2,600円
通常価格:17万7,800円
スターターセットの内容に加え、ブラックミストフィルター、NDフィルター、キャリーバッグ、小型コントローラーMiCo、吸盤マウント、追加バッテリー、専用ケースなどが含まれる。
映像制作まで考えるなら、NDフィルターや追加バッテリー、MiCoなどが含まれるオールインワンセットの方が実用的だろう。
一方、AIによる自動追尾を中心に使うのであれば、スターターセットから始める選択肢もある。
スターターセット12万7,900円という価格は、単純なコンパクトカメラとして見れば高価だ。
小型ドローンとして見ても決して安くはない。
ただしVERSAは、どちらか一方ではなく、
3軸ジンバルカメラ+AI追尾カメラ+自律飛行カメラ
という複数の役割をひとつにまとめている。
それぞれの機材を別々に購入し、持ち運び、充電し、管理することを考えると、価格だけでは判断しにくい製品だ。
むしろ評価のポイントは、「本当に1台で済むほど手持ち性能と飛行性能の両方が実用的か」という部分になるだろう。
ここが十分に成立しているのであれば、12万円台という価格にも独自の価値が出てくる。
VERSAと特に相性が良さそうなのは、以下のようなユーザーだ。
旅行で荷物を減らしたい人。
自分自身を撮影するVloggerやYouTuber。
サイクリング、ランニング、登山、キャンプなどアウトドアを撮影したい人。
ひとり、あるいは少人数で映像制作を行うクリエイター。
スマートフォンとは違う滑らかなジンバル映像と空撮の両方を撮りたい人。
SNS用に視点の変化が大きい映像を作りたい人。
一方で、長時間の本格的な空撮を中心に考えている場合は、飛行時間14分という仕様も含め、専用ドローンの方が適するケースもある。
VERSAは本格空撮機を小型化した製品というより、ポケットカメラの撮影範囲を空まで拡張した製品と考えた方が分かりやすい。
HOVERAir VERSAは、3軸ジンバルカメラと自律飛行カメラをひとつにまとめた、これまでにないアプローチの撮影機材だ。
普段は約163gのコンパクトなジンバルカメラとして持ち歩き、空撮が必要になったら約67gのフライトウィングを装着する。
4K/60fps、10-bit HDR、H-Log、3軸メカニカルジンバル、AI自動追尾、最大1TB microSDなど、映像撮影を意識した仕様も揃っている。
特に興味深いのは、単純に「小さなドローンが登場した」ということではない。
これまでは、
地上はカメラ、空はドローン
と機材を分けるのが当たり前だった。
VERSAでは、その境界そのものをなくそうとしている。
手持ちで撮影していたカメラを、そのまま空へ。
このシンプルな発想が実際の撮影現場でどこまで機能するのか。
Vlogや旅行だけでなく、ワンオペレーションの映像制作においても、HOVERAir VERSAは非常に気になる存在になりそうだ。
本記事は、RE EARTH TV編集部がメーカー公式サイト、公式発表、取材内容などの情報をもとに制作しています。
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