- 2026年7月15日
- #ドローン
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盛岡市役所に、“AI市長”が登場する。
盛岡市は2026年8月28日から、本庁舎1階に生成AIを活用した「AI市長アバター」を設置し、来庁者への窓口案内を行う実証実験を開始する。
アバターは内舘茂盛岡市長本人の写真と音声を基に制作。
来庁者が話しかけると生成AIが音声で回答し、その内容をモニターにも表示する。
「市役所の窓口に行ったものの、どこへ行けばいいのか分からない」
そんな身近な課題を生成AIで解決できるのか。
盛岡市が地方行政の窓口で始める、新しい実証実験だ。

AI市長アバターが設置されるのは、盛岡市役所本庁舎本館1階エレベーターホール。
実証実験は、2026年8月28日(金)14時から11月末までを予定している。
通常の利用時間は午前9時〜午後4時30分で、実施期間は延長される場合もある。

今回の取り組みで目を引くのが、一般的なCGキャラクターではなく、内舘茂市長を模したアバターを採用している点だ。
盛岡市によれば、市長本人の写真と音声を基にAI市長アバターを制作している。
来庁者がアバターへ話しかけると音声で回答。
同時に回答内容をモニター上にも表示する。
つまり文字を入力して使う一般的なチャットボットではなく、人に話しかけるような感覚で行政情報へアクセスできるインターフェースを目指している。
スマートフォンや生成AIに慣れていない人にとっても、「画面へ文字を入力する」より「人に聞く」方が分かりやすい可能性がある。
今回の実証実験では、まさにその部分も検証される。
AI市長アバターには、盛岡市公式ホームページから取得できる情報などを事前に学習させている。
たとえば、
「転入届はどこですか?」
「○○について相談したい」
「この手続きは何課?」
といった質問に対し、来庁者が向かうべき窓口などを案内することを想定している。
市役所では同じような案内を職員が何度も繰り返すケースがある。
今回の実証では、定型的な質問への初期案内をAIによって自動化できるかが検証項目のひとつとなっている。
完全に職員を置き換えるというより、まず入口部分をAIが担当し、必要な窓口へ人をスムーズにつなぐ仕組みと考えると分かりやすい。

もうひとつ注目したいのが多言語対応だ。
盛岡市は今回の実証実験で、英語や中国語などの多言語機能によって、外国人住民でも直感的に利用できるかを検証する。
行政手続きは、日本人にとっても分かりにくいケースがある。
日本語を母語としない住民なら、さらにハードルは高くなる。
生成AIが言語の壁を越えて窓口案内を行えるようになれば、行政サービスの使いやすさは大きく変わる可能性がある。
観光案内とは違い、住所変更、税、福祉、子育てなどの行政手続きでは、「正しい場所へ案内すること」そのものが重要なサービスになる。

盛岡市が検証するポイントには、興味深いものがある。
それが、
「人型の音声アバターは、文字チャットAIより心理的ハードルを下げられるか」という項目だ。
ChatGPTをはじめとする生成AIは急速に普及しているが、誰もがキーボードやスマートフォンへ質問を入力することに慣れているわけではない。
一方で市役所へ来る人は、これまで職員へ直接、「○○はどこですか?」と聞いてきた。
その自然な行動をそのままデジタル化するのが、今回のAI市長アバターとも言える。
技術そのものより、人とAIをつなぐインターフェースの実験として見ると非常に興味深い。
今回採用されるのは、仙台市の株式会社ファーストローンチが開発したAIアバター接客システム「AICO(アイコ)」。
販売協力会社のテクノホライゾンと盛岡市、ファーストローンチの共同で実証実験を行う。
ファーストローンチによると、AICOは人間のように声で会話できるAIアバターとして開発されており、アバターのデザインや声をカスタマイズできる。
同社は店舗や施設、受付などでの活用を想定している。
今回はこの仕組みを行政窓口へ持ち込み、市長本人を模したキャラクターとして利用することになる。
AI市長アバターは、盛岡市ホームページの内容を基に、窓口案内に必要となる追加情報などを学習している。
その学習内容に基づいて回答するほか、一般的な質問についてはインターネット上を検索して回答する場合もあるとしている。
ここは生成AIならではの特徴だ。
従来のFAQ型チャットボットでは、「質問Aなら回答A」というように、あらかじめ用意されたパターンへユーザーを当てはめるケースが多かった。
生成AIなら、質問の表現が多少違っても内容を読み取り、回答を生成できる。
一方で生成AIは、常に100%正確な回答を保証できる技術ではない。
行政サービスで活用するなら、どこまでAIへ任せ、どこから職員へ引き継ぐのかという設計も重要になる。
今回の実証実験では、その実用性と課題を確認する意味も大きい。
盛岡市は、AI市長アバターを利用した市民へのアンケートなどを通して、事業の効果や課題を把握する。
その結果を踏まえ、今後の生成AI活用の可能性を検討していく方針だ。
今回の実験で確認される主なポイントは、
| 検証項目 | 内容 |
|---|---|
| 初期案内 | 定型的な質問や担当課への誘導を自動化できるか |
| 多言語対応 | 英語・中国語などで外国人住民も利用できるか |
| 使いやすさ | 人型音声アバターによって心理的ハードルを下げられるか |
| 将来性 | 市民アンケートなどから今後の生成AI活用を検討 |
となっている。

今回の取り組みが面白いのは、単に市役所がChatGPTのようなAIを導入するだけではない点だ。
そこに「市長」という顔を持たせた。
市役所の入口に内舘市長を模したアバターがいて、「今日はどうしましたか?」と話しかけてくれる。
それだけで、無機質な検索画面とは体験が大きく変わる。
生成AIが行政サービスへ浸透するとき、重要なのはAIモデルそのものだけではなく、市民がどうやってAIと接するかなのかもしれない。
その意味でも、今回の盛岡市の取り組みは非常に興味深い。
岩手県内でも行政DXは進んでいるが、生成AIが目に見える形で市民と直接会話する事例は、これまでのデジタル化とは印象が異なる。
オンライン申請や電子決済は、「手続き」をデジタルにするものだった。
AI市長アバターは、「人に聞く」という体験そのものをデジタルへ置き換えようとしている。
そして地方行政では、
・職員不足
・多言語対応
・案内業務
・問い合わせ対応
といった課題が今後さらに大きくなる可能性がある。
AIがすべてを解決するわけではない。
しかし、職員が本来対応すべき複雑な相談へ集中するために、定型案内をAIへ任せられるのであれば、その価値は大きい。
今回の実証結果が、盛岡だけではなく全国の自治体から注目される可能性もある。
盛岡市は2026年8月28日から、市役所本庁舎にAI市長アバターを設置する。
内舘茂市長本人の写真と声を基に制作し、
・窓口案内
・担当課への誘導
・英語・中国語などの多言語対応
などを生成AIで行う。
実証期間は11月末までを予定。
生成AIが行政内部の業務効率化だけでなく、市民が直接触れる窓口へ出てくるという意味でも注目したい取り組みだ。
盛岡市役所を訪れる予定がある人は、実際に“AI市長”へ話しかけてみてはいかがだろうか。
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