- 2022年1月7日
SanDisk エクストリーム ポータブルSSDを実機レビュー|1TB・転送速度・使い勝手を徹底検証
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カメラバッグの中で、最も地味でありながら、撮影前に最も頼りになる道具。
そのひとつがブロアーだ。
レンズ前面に付着した小さなホコリ、レンズ交換時にマウント周辺へ入り込んだチリ、商品撮影の直前に気づく微細なゴミ。静止画であればレタッチで救える場合もあるが、動画ではフレームをまたいで写り続けるゴミを後処理するのは簡単ではない。撮影前の数十秒で取り除けるホコリを、そのまま収録素材へ持ち込まないこと。これは画質以前に、現場のワークフローを守るための基本といえる。
今回レビューする「VSGO V-B02」は、一般的なゴム球タイプのブロアーに、一方向の吸気経路、交換式エアフィルター、長短2種類のノズル、自立しやすい吸着ベースを組み合わせたモデルだ。電源も充電も不要。バッグから取り出した瞬間に使え、モーター音も発生しない。映像制作の現場で本当に使いやすいのか、細部までチェックしていこう。


VSGOは、レンズクリーニング用品やセンサークリーニング用品を展開するブランドだ。V-B02は同社の「Air-move Camera Air Blower」にあたり、メーカー公表情報では2019年のRed Dot Design Awardを受賞している。
ブロアーという道具は、構造だけを見れば極めてシンプルだ。しかし、吸い込んだ空気にホコリが含まれていれば、そのホコリを再び機材へ吹き付ける可能性がある。
V-B02は、空気の入口と出口を意識的に分け、吸気側に交換可能なフィルターを配置した。
つまり本製品の価値は、単に風を出すことではなく、機材へ送る空気の経路まで設計していることにある。
| 製品名 | VSGO Air-move Camera Air Blower |
|---|---|
| 型番 | V-B02/V-B02E |
| 方式 | 手動式カメラ用ブロアー |
| メーカー公称サイズ | 167×57×57mm |
| メーカー公称質量 | 68g |
| 主な特徴 | 一方向吸気、交換式フィルター、交換式ノズル、吸着ベース |
| 同梱品 | 本体、長ノズル、短ノズル、交換フィルター5枚、収納ポーチ |
※サイズと質量はメーカー公表値。販売時期や販売地域によって型番表記、パッケージ、同梱品が異なる可能性があります。
V-B02を使ってまず感じるのは、機能の多さではなく、撮影前の動作へ自然に組み込めることだ。
電池残量を確認する必要がなく、充電ケーブルもいらない。スイッチ操作もなく、握ればすぐに風が出る。しかも手動式なので、インタビューやナレーション収録の合間でもモーター音を気にせず使える。レンズ交換、フィルター交換、商品撮影のセット替えといった短いタイミングで、さっとホコリを飛ばせる。
一般的な安価なブロアーより価格は上がるものの、フィルター構造、交換式ノズル、携帯性まで含めると、高価なカメラやレンズを日常的に扱う人ほど、価格差の意味を理解しやすい製品だと感じた。

V-B02には、長さの異なる2本のノズルが付属する。どちらか一方で妥協するのではなく、対象物や作業スペースに合わせて選べるのがポイントだ。
| 種類 | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 長ノズル | 先端を対象へ近づけやすく、奥まった場所を狙いやすい | レンズ周辺、マウント周辺、ボタンやダイヤルの隙間、ケージ装着時の狭い部分 |
| 短ノズル | 全長を抑えやすく、バッグへ収納しやすい | レンズ表面、フィルター、モニター周辺、キーボード、持ち運び重視のロケ |


短ノズルを付けた状態は、カメラバッグの小物ポケットへ収めやすい。一方の長ノズルは、リグやケージを組んだカメラ、レンズマウントの周辺など、指を入れにくい場所へ風を届けたいときに便利だ。

ただし、ノズルが長いほど対象物へ近づけやすくなる反面、手元の動きも先端へ伝わりやすい。センサーやシャッター周辺を清掃するときは、長ノズルを奥まで差し込まず、先端を機材へ接触させない距離を保つことが重要だ。


ノズルは硬質なプラスチック製のパイプではなく、指で押すとしなる柔らかさを持つシリコンのような素材。撮影現場では手袋をしていたり、暗い場所で機材を整備したりすることもあるため、先端が硬すぎないことは安心材料になる。
とはいえ、柔らかいノズルだからセンサーやレンズへ触れても安全、ということではない。レンズ表面、イメージセンサー、シャッター幕はいずれも接触を避け、ブロアーは非接触で浮いたホコリを飛ばすために使うのが基本だ。油分を含む汚れ、花粉の固着、水滴跡などはブロアーだけで無理に落とそうとせず、専用のクリーニング用品やメーカーの点検サービスを利用したい。

V-B02のボディは、中央に厚みを持たせた楕円形。表面は滑らかだが、側面にはリブが設けられ、握ったときに指が掛かりやすい。大きすぎて片手で扱いにくいこともなく、小さすぎて十分に空気を押し出せないこともない。携帯性と一回の送風量のバランスを狙ったサイズ感といえる。


今回の試用では、レンズ前面に浮いたホコリを飛ばす日常清掃用途として、風のまとまりに不足は感じにくかった。細い吐出口によって空気を狙った範囲へ送りやすく、レンズの外周、フィルター枠、フォーカスリング周辺などにも使いやすい。
一方、手動式なので電動エアダスターのような連続送風はできない。広いキーボード全体や大量の粉じんを一気に吹き飛ばす用途より、カメラやレンズの繊細な場所へ、短くコントロールした風を送る使い方に向いている。

レンズ清掃では、いきなりクロスで拭かないことが大切だ。表面に硬い砂やチリが残った状態でこすると、コーティングへ負担をかける可能性がある。まずブロアーで浮いたゴミを飛ばし、それでも指紋や油分が残る場合に限って、レンズ用クロスやクリーニング液を使う。この順番を守るだけでも、光学面へ余計な摩擦を与えにくくなる。
映像制作では、絞り込んで撮影した空や白壁、均一な背景でホコリが目立ちやすい。さらに動画のゴミ取りは、静止画のスポット修正より手間がかかる。テイクを回す前にレンズとフィルターを確認し、数回ブローする。V-B02は、その短い確認作業を面倒に感じさせにくい。


一般的なブロアーは、ボディが元の形へ戻るときにノズル側から空気を吸い戻す場合がある。V-B02は、メーカーが一方向の吸気経路を特徴として掲げており、吸気側には円形の交換フィルターを装着する。
この構造の狙いは明快だ。吹き出し口の近くにあるホコリをそのまま吸い戻し、次の一押しで再び吹き付けるリスクを抑えること。もちろんフィルターがすべての微粒子を完全に除去するわけではなく、無塵環境を作るものでもない。それでも、高価なレンズやセンサー周辺へ使う道具として、吸い込む空気に配慮した設計は大きな安心感につながる。


交換用フィルターは個別に包装されている。未使用分をホコリから守りやすく、ロケ用バッグへ予備を1枚だけ入れておくこともできる。交換作業にドライバーなどの工具は必要ない。


交換手順は次のとおりだ。
交換時は、フィルターの中央や吸気面を指で強く触らず、できるだけ外周を持つとよい。使用頻度や環境によって汚れ方は変わるため、交換時期を一律に決めるより、目視で汚れや目詰まりを確認し、風の戻り方に違和感があれば点検するのが現実的だ。

底部には円形の吸着ベースが設けられている。平滑で清潔な机の上では本体を立てて置きやすく、ノズル先端が作業台へ直接触れるのを避けられる。

底部には円形の吸着ベースがあり、平らで滑らかな面であれば、軽く押し当てるだけで簡単に吸着させることができる。
撮影台やテーブルの上でも立たせたまま置けるため、レンズ交換やフィルター清掃の途中でブロアーが転がりにくく、必要な瞬間にすぐ手へ取れる。
撮影現場のテーブルには、テープ片、ケーブルの削れ、衣服の繊維、屋外から持ち込まれた砂などが残っていることがある。ブロアーを横置きしてノズルを汚し、そのままレンズへ向けては本末転倒だ。使っていないときもノズルを床や机から離しておけることは、フィルター構造と同じくらい理にかなっている。
なお、吸着の強さは設置面の素材や凹凸、汚れによって変わる。ザラついた台や布の上では吸着を期待せず、転倒しない場所へ置きたい。

編集部の簡易計測では、本体重量は68g。メーカー公称値と同じ結果だった。撮影用バッグの総重量を考えると、カメラ本体、レンズ、バッテリー、外部モニター、マイクなどに比べて負担は小さい。

長ノズル装着時の全長は約17cm。ポケットへ入る極小サイズではないが、十分な送風量を得るためのボディ容量を考えれば現実的だ。短ノズルへ交換すれば全長を抑えられるため、移動の多いロケでは短ノズル、スタジオや機材庫では長ノズルという運用も考えられる。
軽い、充電がいらない、使うまでの準備がない。この3点が揃っているからこそ、撮影当日に置いていかれにくい。アクセサリーは高機能であること以上に、必要なときに手元にあることが重要だ。

V-B02には、長短2本のノズル、交換フィルター5枚、収納ポーチが付属する。ブロアー単体で終わらず、持ち運びとメンテナンスまで含めた構成になっている点はうれしい。

とくにポーチは実用的だ。カメラバッグの中は意外に細かな繊維や砂が入りやすく、ブロアーを裸のまま入れるとノズルへゴミが付着することがある。使用後はノズル周辺を確認し、ポーチへ収納しておけば、ほかの機材との擦れも抑えやすい。



屋外ロケでは、風に乗った砂や繊維がマウント周辺へ入りやすい。交換前にボディとレンズ後端の周辺を確認し、カメラメーカーの手順に従って、非接触で短くブローする。センサーへホコリを持ち込んでから対処するより、交換時に侵入を抑える方が効率的だ。
動画撮影ではシャッタースピードを維持するため、NDフィルターを頻繁に交換することがある。
フィルター表面のホコリをブローしてからクロスを使えば、不要な摩擦を減らしやすい。
黒い製品や光沢面は、肉眼では目立たなかったホコリまで照明で浮かび上がる。
商品そのものへ使う場合は素材を確認する必要があるが、セット周辺や機材表面の浮いたホコリを取り除く用途では、手動で風量を加減できることが強みになる。
電動ブロアーと違って駆動音がないため、静かな収録現場でも扱いやすい。
録音中には使用しないとしても、テイク間の短い時間でレンズを確認し、その場ですぐ清掃できる。
帰社後の本格的なメンテナンスとは別に、撤収前にボディ外装やレンズ鏡筒周辺の浮いた砂を落としておけば、バッグ内へ汚れを広げにくい。
V-B02は撮影前だけでなく、撮影後の“汚れを持ち帰らない”運用にも使える。
ブロアーは便利だが、使い方を誤るとデリケートな部品へ接触する可能性がある。とくにミラーレスカメラのセンサー、シャッター幕、手ブレ補正機構の周辺では、以下を守りたい。
また、缶タイプのエアダスターは製品によって液化ガスや噴射剤を含み、傾け方や連続使用によって液体が噴き出す場合がある。
カメラ内部へ使用できるかを必ず確認し、センサー清掃ではカメラメーカーの注意事項を最優先にしてほしい。
| 良かった点 | 購入前に知っておきたい点 |
|---|---|
| 吸気側に交換式フィルターを備える | 一般的なシンプルなブロアーより価格は高めになりやすい |
| 長短2種類のノズルを用途で交換できる | 手動式なので長時間の連続送風には向かない |
| ノズル先端が柔らかく、取り回しやすい | フィルターの点検と交換が必要 |
| 実測68gで携帯しやすく、充電も不要 | 固着した汚れや油分までは除去できない |
| 吸着ベースとポーチでノズルを清潔に保ちやすい | 吸着力は設置面の素材や汚れに左右される |
V-B02をおすすめしやすいのは、次のような人だ。
逆に、デスク全体のホコリを連続した強風で飛ばしたい人や、PC内部の大規模な清掃を主目的とする人には、電動エアダスターの方が効率的な場合がある。V-B02の得意分野は、あくまで精密機材へ短く、狙いを定めて、必要な量の風を送ることだ。

VSGO V-B02は、派手な電子機能を持つアクセサリーではない。使う瞬間も数秒で、撮影した映像にブロアーそのものが写ることもない。
しかし、レンズ前面のホコリを撮影前に飛ばせたこと、フィルター交換時に余計なゴミを持ち込まずに済んだこと、素材へ黒い点を残さずに済んだことは、完成した映像の品質と編集時間へ確実に影響する。目立たない道具ほど、現場では仕事の丁寧さを支えている。
一方向の吸気経路、交換式フィルター、長短2種類の柔らかいノズル、吸着ベース、収納ポーチ。そして実測68gという持ち出しやすさ。V-B02には、カメラ用ブロアーへ求めたい要素が過不足なくまとめられている。
安価なブロアーでも空気を送ることはできる。だが、何十万円、場合によってはそれ以上のカメラやレンズへ使う道具として考えれば、吸気する空気やノズルの扱いやすさまで設計された製品を選ぶ意味は大きい。
撮影前のひと吹きを習慣にしたい人、素材に残るホコリと編集で格闘したくないクリエーターにとって、VSGO V-B02はカメラバッグへ常備する価値のある一本だ。
本記事は、RE EARTH TV編集部がメーカー公式サイト、公式発表、取材内容などの情報をもとに制作しています。
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