【65万円超のウォークマン登場】ソニーが最高峰3機種を発表。金メッキ無酸素銅で音質を追求

この記事は約 12 分で読めます
この記事には広告・アフィリエイトリンクが含まれています。 詳しくはこちら

ソニーは2026年10月16日、ポータブルオーディオプレーヤー「ウォークマン」の新モデルとして、「NW-WM1ZM3」「NW-WM1AM3」「NW-ZX900」の3機種を発表した。いずれも11月27日に国内発売を予定している。

市場推定価格(税込)は、最上位のNW-WM1ZM3が655,000円前後、NW-WM1AM3が347,000円前後、NW-ZX900が215,000円前後。近年のポータブルオーディオ市場でも際立つ価格設定となった。

今回の新製品では、金メッキ無酸素銅を用いたシャーシ構造、強化された電源回路、新開発の音響処理技術などを採用。ソニーが長年培ってきたアナログとデジタルの高音質技術を投入した。

さらに、新しい「先読み型ノイズシェーパー」を搭載したS-Master HX、ストリーミングサービスにも対応するDSDリマスタリングエンジンを全3機種に採用。ハードウェアだけでなく、デジタル信号処理や操作性も進化している。

スマートフォンでの音楽再生が一般化した現在、ソニーはあえて専用プレーヤーの音質と設計を追求することで、ハイエンドオーディオ市場に新たな提案を行う。

新型ウォークマン3機種の価格・スペックを比較。最上位は約65万5,000円

今回発表されたのは、ウォークマンの最高峰に位置するWM1シリーズ2機種と、携帯性と高音質の両立を目指したZXシリーズ1機種だ。

3機種ともAndroid OSとWi-Fiに対応し、音楽ファイルの再生だけでなく、各種音楽ストリーミングサービスを本体から直接利用できる。

主な仕様と価格は以下のとおり。

項目NW-WM1ZM3NW-WM1AM3NW-ZX900
シリーズWM1 Signature SeriesWM1ZX
市場推定価格(税込)約655,000円約347,000円約215,000円
内蔵ストレージ256GB128GB64GB
本体カラーゴールドブラックブラック
メインシャーシ無酸素銅アルミアルミ
リアシャーシ金メッキ無酸素銅金メッキ無酸素銅金メッキ無酸素銅
ディスプレイ5.5インチ5.5インチ5.0インチ
デジタルアンプS-Master HXS-Master HXS-Master HX
DSDリマスタリング対応対応対応
Android161616
発売予定日11月27日11月27日11月27日

※価格はソニー公表の市場推定価格であり、実際の販売価格とは異なる場合がある。

3機種の大きな違いは、筐体素材、内部配線、電源・音響回路の設計、サイズ、ストレージ容量にある。

特にNW-WM1ZM3では、メインシャーシとリアシャーシの両方に無酸素銅を採用。素材と内部構造にまで踏み込んだ設計が、高価格の要因の一つとなっている。

NW-WM1ZM3|純度99.99%の無酸素銅を採用。約65万5,000円のフラッグシップ

最上位モデル「NW-WM1ZM3」は、ソニーの高級オーディオ製品群「Signature Series」に位置付けられるフラッグシップモデルだ。

最大の特徴は、純度約99.99%(4N)の総削り出し無酸素銅メインシャーシと、金メッキを施した無酸素銅リアシャーシを採用している点にある。

従来モデル「NW-WM1ZM2」ではリアシャーシにアルミ素材を採用していたが、新モデルでは金メッキ無酸素銅へ変更した。

無酸素銅は一般的なアルミニウムと比べて電気抵抗が低く、オーディオ回路のグラウンドを安定させる素材として利用される。

ソニーは今回、基板とリアシャーシをそれぞれメインシャーシへ直接固定する構造を新たに採用。さらに固定用ビスにも金メッキ処理を施し、低抵抗化とグラウンドの安定性を追求した。

これにより、力強い低音と広がりのある音場、伸びやかな高域表現を目指したという。

内部配線には太径KIMBER KABLEを採用

音質設計へのこだわりは、内部配線にも及んでいる。

NW-WM1ZM3では、アンプから4.4mmバランスヘッドホン端子までの内部配線に、**太径のKIMBER KABLE(キンバーケーブル)**を採用した。

KIMBER KABLEは高級オーディオ分野で知られるケーブルブランドで、ソニーのハイエンド製品にも採用実績がある。

また、バランス出力のLCフィルターには4N無酸素銅を巻き線に使用した大型コイルを搭載。従来機種と比較して、音の解像感や高域の伸び、空間表現の向上を図った。

デジタルグラウンドを強化する無酸素銅切削ブロックも、従来モデル比で物量を約34%増加させている。

微細な音の立ち上がりや楽器の余韻、演奏空間の広がりまで再現することを狙った設計だ。

なお、これらはメーカーが公表する設計上の特徴と音質評価であり、実際の聴感はイヤホン・ヘッドホンの組み合わせなどによっても変化する。

NW-WM1AM3|約34万7,000円。上位モデルの音質技術を継承

「NW-WM1AM3」は、最上位モデルの音響設計を継承しながら、価格を抑えたWM1シリーズのスタンダードモデルだ。

市場推定価格は税込347,000円前後。従来モデル「NW-WM1AM2」の後継にあたる。

メインシャーシには総削り出しアルミニウムを採用。新たに金メッキ無酸素銅リアシャーシを組み合わせ、従来モデルからグラウンド構造を見直した。

NW-WM1ZM3と同様に、基板とリアシャーシをメインシャーシへ直接固定する構造を採用している。

さらに、バランス出力用LCフィルターの大型コイルや、無酸素銅切削ブロックによるグラウンド強化も共通する。

一方、アンプから4.4mmヘッドホン端子までの内部配線には、KIMBER KABLEではなく低抵抗の無酸素銅ケーブルを使用する。

NW-WM1ZM3との価格差は約30万8,000円。両モデルの音質差をどこまで重視するかが、購入時の大きな判断材料となりそうだ。

電源回路を刷新。大容量コンデンサーを1基から2基へ増設

WM1シリーズの新モデルでは、音質を左右する電源回路も大幅に見直された。

従来モデルで1基だった大容量固体高分子コンデンサーを、新モデルでは2基に増設。デジタルブロックとアナログブロックに独立して配置した。

デジタル回路から発生するノイズがアナログオーディオ回路へ与える影響を抑え、安定した電源供給を実現する狙いがある。

さらに、バッテリーからオーディオ回路への電源供給には、専用の無酸素銅ケーブルによる直接接続を新採用した。

大容量コンデンサーの増設、電源配線の低抵抗化、グラウンド構造の強化を組み合わせることで、音楽信号の急激な変化にも対応する。

特に低音域の立ち上がりや大音量時の安定性、微小信号の再現性に重点を置いた設計となっている。

「S-Master HX」が進化。新開発の先読み型ノイズシェーパーを搭載

今回の新型ウォークマンでは、3機種すべてにソニー独自のフルデジタルアンプ「S-Master HX」を搭載している。

注目すべき進化が、新たに導入された**「先読み型ノイズシェーパー」**だ。

ノイズシェーピングは、デジタル信号処理で発生する量子化ノイズの周波数特性を制御する技術。新方式では量子化ノイズを先読み計算し、最適に処理することで、急峻な音の立ち上がりにも追従する。

ソニーは、この技術によって迫力のある低音とクリアでスピード感のある音を実現したとしている。

WM1シリーズの2機種では、効果の異なる3種類の設定を用意。リスナーの好みや再生環境に応じた音質調整が可能だ。

単に再生可能な音源のスペックを高めるだけでなく、音楽信号の処理そのものを改良している点が特徴となる。

DSD 11.2MHzへのリマスタリングがストリーミングにも対応

ソニー独自の「DSDリマスタリングエンジン」も進化した。

同機能は、PCM形式の音源を11.2MHz相当のDSD信号へ変換する高音質処理技術だ。

従来モデルでは主にウォークマン標準の音楽再生アプリ「W.ミュージック」での利用に限られていたが、新モデルでは対応範囲を拡大。

有線ヘッドホン・イヤホン接続時に、ストリーミングサービスなどの音楽アプリでもDSDリマスタリングを利用できるようになった。

これにより、保存したハイレゾ音源だけでなく、日常的に利用する音楽配信サービスでもウォークマン独自の高音質処理を楽しめる。

ただし、DSDリマスタリングは音源の信号形式を変換する技術であり、元の音源に存在しない情報を完全に復元するものではない。

AIによる高音質化「DSEE Ultimate」にも対応

3機種とも、AI技術を用いた高音質化機能「DSEE Ultimate」を搭載している。

圧縮音源などをリアルタイムに分析し、高音域や音の細部を補完することで、より豊かな音楽再生を目指す技術だ。

ワイヤレス接続や音楽ストリーミングサービス利用時にも適用可能で、一般的な音楽配信サービスの音源を再生する場合にも活用できる。

DSDリマスタリングとDSEE Ultimateは異なる方式の音質処理であり、利用可能な条件や設定はそれぞれ異なる。

NW-ZX900|約21万5,000円。フラッグシップ技術を凝縮した新型ZXシリーズ

3機種の中で最も価格を抑えた「NW-ZX900」は、従来モデル「NW-ZX707」の後継にあたる。

市場推定価格は税込215,000円前後。

ZXシリーズはWM1シリーズと比べて携帯性を重視した設計が特徴だが、今回のNW-ZX900では、従来のシリーズから音質設計を大幅に強化している。

メインシャーシには総削り出しアルミニウム、リアシャーシには金メッキ無酸素銅を採用した。

バッテリーにはWM1シリーズと共通の大容量高音質バッテリーを搭載。さらに、ZXシリーズとして初めて無酸素銅のバッテリー電源ケーブルを採用した。

電源回路には、ZXシリーズ初の超低ノイズLDOレギュレーターを搭載。電源ノイズを低減し、安定したオーディオ回路動作を支える。

また、WM1シリーズで採用されている超低位相ノイズ水晶発振器もZXシリーズとして初搭載。クロック精度の向上によって音楽信号の再現性を追求している。

最大約40時間再生。バッテリー持続時間が約66%向上

NW-ZX900では、新プラットフォームや電源設計の最適化によってバッテリー持続時間も向上した。

ソニーの公表値では、最大約40時間の連続再生に対応。従来モデル「NW-ZX707」と比較して、連続再生時間を約66%改善したとしている。

この数値は、バランス接続でMP3 128kbps音源を再生した場合など、メーカー指定条件に基づくものだ。

実際の駆動時間は、使用する音源形式、画面操作、通信状況、音質処理の設定によって変化する。

ディスプレイには5インチのタッチパネルを採用。WM1シリーズの5.5インチより小型で、日常的な持ち運びも想定した構成となっている。

Android 16・Bluetooth 5.4対応。操作性とワイヤレス接続も進化

新型ウォークマン3機種はAndroid 16を採用。新世代のプロセッサーを搭載し、従来モデルから操作レスポンスの向上を図っている。

本体のWi-Fi接続を利用し、Android向けの音楽ストリーミングアプリなどを直接実行できる。

また、Bluetooth 5.4に対応し、LDAC、aptX Adaptive、LC3などの音声コーデックをサポートする。

LDACはソニーが開発した高音質Bluetooth音声技術で、対応ヘッドホンやイヤホンと組み合わせることでハイレゾ相当のワイヤレス再生を楽しめる。

aptX Adaptiveは通信状況に応じて音質や遅延を調整する方式。LC3はLE Audioで採用される音声コーデックだ。

ただし、利用できるコーデックは接続するイヤホンやヘッドホンの対応状況にも左右される。

有線接続では、3.5mmステレオミニ端子と4.4mmバランス端子を装備。高品位な有線イヤホンやヘッドホンを使用するユーザーにも対応する。

NW-WM1ZM2・WM1AM2・ZX707との違いは?音質設計とバッテリーを刷新

今回の新型ウォークマンは、従来モデルの単純なマイナーチェンジではない。

主な変更点を整理すると、以下のようになる。

比較項目従来モデル新モデル
WM1リアシャーシアルミ金メッキ無酸素銅
WM1電源コンデンサー大容量タイプ1基2基を独立配置
デジタルアンプS-Master HX先読み型ノイズシェーパー追加
DSDリマスタリング利用アプリに制限ストリーミングアプリにも対応
WM1ディスプレイ5.0インチ5.5インチ
ZXシリーズ電源設計従来構成OFC電源ケーブル・超低ノイズLDO採用
ZXシリーズ再生時間従来基準最大約40時間

従来のNW-WM1ZM2、NW-WM1AM2は2022年に発売されたモデルであり、今回の新製品は約4年ぶりの世代交代となる。

新モデルではシャーシ、電源回路、内部配線、デジタル信号処理など、音質に関連する主要部分を幅広く刷新した。

一方、価格帯も大きく上昇している。

特にNW-ZX707の後継となるNW-ZX900は約21万5,000円に達しており、従来のZXシリーズとは異なる高価格帯へ移行した。

高音質化に対する投資をどこまで許容できるかが、買い替えを判断する上で重要となる。

スマホで十分な時代に、なぜウォークマンは約65万円なのか

Apple MusicやSpotifyなどの普及により、スマートフォンで音楽を聴くことが一般的になった。

高品質なワイヤレスイヤホンも普及し、音楽専用プレーヤーを持ち歩く必要性は以前より小さくなっている。

そのような市場環境の中、ソニーが高価格帯のウォークマンを投入する背景には、再生機器そのものの音質を追求するハイエンドオーディオ需要がある。

スマートフォンは通信、カメラ、ゲームなど多様な機能を1台に集約する汎用デバイスだ。

一方、ウォークマンの上位モデルは、シャーシ素材、電源、ノイズ対策、信号処理、内部配線などを音楽再生のために設計している。

有線接続の高級ヘッドホンやイヤホンを使用する場合、アンプや電源回路を含めた再生環境の違いが選択理由となる。

ただし、価格が高いほど誰にとっても音質が優れるとは限らない。音源の品質や再生環境、使用するイヤホン・ヘッドホン、リスナー自身の好みによって評価は異なる。

約65万円という価格は、一般的な音楽プレーヤーの利便性ではなく、音質と所有体験を重視するユーザーに向けた設定と考えられる。

11月27日発売。ソニーストアでは先行展示と限定パッケージの抽選販売も

新型ウォークマン3機種の国内発売日は、いずれも**2026年11月27日(金)**を予定している。

ソニーストアでは、10月16日から全国5店舗で先行展示が開始された。

対象店舗は、銀座、札幌、名古屋、大阪、福岡天神。

発売前に実機のサイズ感や操作性を確認できるほか、試聴環境が用意されている店舗では音質を確認することも可能だ。

さらに最上位モデル「NW-WM1ZM3」については、ソニーストア限定パッケージの抽選販売も実施される。

専用ケースや無酸素銅を使用したキーチャームなどを同梱する特別仕様で、抽選応募期間は10月16日10時から10月25日23時59分までとなっている。

このほか、ソニーはNW-WM1ZM3の音質設計者がチューニングに協力した、テイラーメイドイヤホン「Just ear」の特別モデルも12月上旬に発売する予定だ。

まとめ|新型ウォークマンは音楽専用プレーヤーの価値を再定義するか

ソニーが発表した新型ウォークマン「NW-WM1ZM3」「NW-WM1AM3」「NW-ZX900」は、音質を最優先に設計されたハイエンドポータブルオーディオプレーヤーだ。

純度約99.99%の無酸素銅シャーシや強化された電源回路、新しいS-Master HX、ストリーミング対応のDSDリマスタリングなど、アナログとデジタルの両面から音質を追求している。

特に、約65万5,000円のNW-WM1ZM3は、ポータブルオーディオにどこまで高音質技術を投入できるのかを示す象徴的な製品といえる。

一方、約34万7,000円のNW-WM1AM3や約21万5,000円のNW-ZX900も、従来モデルから大幅に価格が上昇しており、購入には慎重な比較が必要となる。

新しいシャーシ構造や音響処理技術が、実際のリスニング体験にどの程度の違いをもたらすのか。今後の実機レビューや従来モデルとの比較検証に注目したい。

スマートフォンが音楽再生の中心となった現在でも、ソニーは専用プレーヤーならではの音質と体験を追求し続けている。

ウォークマンは、単に音楽を持ち歩くための機器から、音楽をより深く味わうための高級オーディオへと進化を続けている。

関連リンク

掲載情報について

本記事は、RE EARTH TV編集部がメーカー公式サイト、公式発表、取材内容などの情報をもとに制作しています。
掲載内容は、記事の公開日または最終更新日時点で確認できた情報をもとにしています。
製品仕様、価格、在庫、キャンペーン、サービス内容などは予告なく変更される場合があります。
最新の製品情報や価格・在庫については、メーカー公式サイトまたは各販売ページをご確認ください。

掲載内容に誤りや変更点がございましたら、 お問い合わせフォームよりお知らせください。
内容を確認のうえ、必要に応じて修正いたします。

私がこの記事を書いたよ!

RE EARTH TV編集部

RE EARTH TV編集部です。 RE EARTH TVの各種情報全般をお届けします。

トップへ