- 2026年8月26日
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商船三井クルーズが運航する新クルーズ船「MITSUI OCEAN SAKURA(三井オーシャンサクラ)」が2026年9月25日、岩手県宮古市の宮古港・藤原ふ頭へ初寄港した。
宮古市が公表している2026年クルーズ船寄港予定では、今回の寄港を「東北初寄港」としている。9月19日に横浜港からデビュークルーズを開始したばかりで、就航からわずか6日後に三陸・宮古へその姿を見せたことになる。
白を基調とした約198mの船体が宮古湾へ入り、藤原ふ頭に接岸。新たな日本籍クルーズ船の寄港を迎えた港では、歓迎セレモニーや地元特産品の販売なども実施された。
RE EARTH TVでは、宮古港へ寄港したMITSUI OCEAN SAKURAを現地で撮影した。

MITSUI OCEAN SAKURAは、MITSUI OCEAN CRUISESを展開する商船三井クルーズの新たなクルーズ船だ。
2026年9月19日に横浜港から正式就航。同社では2024年12月に就航した「MITSUI OCEAN FUJI」に続く2隻目のMITSUI OCEAN CRUISESブランドの船となる。
また、2026年5月には約35年間にわたり運航された「にっぽん丸」が引退。今後はMITSUI OCEAN FUJIとMITSUI OCEAN SAKURAによる2隻体制で、その歴史や日本らしい船旅の考え方を受け継いでいく。
船のルーツをたどると、前身はラグジュアリークルーズブランドSeabournが運航していた「Seabourn Sojourn(シーボーン・ソジャーン)」。商船三井が同船を取得し、MITSUI OCEAN CRUISES向けに新たな船として投入した。
単なる船名変更ではなく、日本のクルーズ市場を意識したサービスや空間へ再構築された一隻となっている。
MITSUI OCEAN SAKURAの現在の主要スペックは以下の通り。
| 項目 | MITSUI OCEAN SAKURA |
|---|---|
| 全長 | 198.15m |
| 全幅 | 26m |
| 総トン数 | 34,138トン |
| 客室数 | 229室 |
| 乗客定員 | 458名 |
いずれもMITSUI OCEAN CRUISESが2026年5月1日時点として掲載している現行の公表値だ。
20万トンを超える海外の超大型クルーズ船とは方向性が異なり、全長200mを切る比較的コンパクトな船体が特徴だ。
一方で乗客定員は458名に抑えられており、船のサイズに対して乗客数を絞った、スモールラグジュアリータイプのクルーズ船といえる。
商船三井クルーズも、こうした船体サイズを生かして大都市圏の大型港だけでなく、離島や地方港を含むさまざまな港への寄港を展開する方針を示している。
宮古港のような地方港との相性も、この船の大きな特徴のひとつになりそうだ。
MITSUI OCEAN SAKURAでは、229室の客室に対して乗客定員458名という構成を採用する。
MITSUI OCEAN CRUISESでは、日本らしい上質さと心地よさをコンセプトに、メインダイニング「レストラン桜」をはじめ、「テラスレストラン八重」や「寿司バー潮彩」などを用意している。
さらに船内には、足湯を備えたプールや海を望むバーなども設けられている。
巨大な船内に多数のアトラクションを詰め込む近年の大型クルーズ船とは異なり、MITSUI OCEAN SAKURAが重視するのは、船上でゆったりと過ごす時間と寄港地そのものだ。
「船そのものを目的地にする」のではなく、船と寄港地をひとつの旅としてつなぐ。
その考え方は、地方港を巡る今後の航路にも表れている。
今回の宮古寄港は、9月23日に横浜港を出発した「三井オーシャンサクラ デビュークルーズII ~宮古・大洗~」の一環として行われた。
4泊5日の航海で、横浜を出発したあと航海日を挟み、9月25日に宮古へ寄港。その後は茨城方面へ向かい、9月27日に横浜へ戻る航程となっている。
MITSUI OCEAN CRUISESは宮古について、三陸復興国立公園の海岸景観や浄土ヶ浜、ウニ、ホタテ、アワビなどの海産物を楽しめる寄港地として紹介している。
単に大型客船が港へ入るだけではなく、乗客が街へ出て観光や買い物、食を楽しむことで、クルーズ船の寄港そのものが地域観光へ人を送り込む入口になる。
宮古港が近年クルーズ船誘致を進めている理由のひとつでもある。
宮古での滞在を終えたMITSUI OCEAN SAKURAは、9月25日夕方に藤原ふ頭を離れ、宮古湾から次の寄港地へ向かった。
静かに岸壁を離れた船体は徐々に向きを変え、宮古湾の出口へ。
正面から見ると高さとボリュームを感じさせる船体だが、横から見ると全長約198mの伸びやかなシルエットが際立つ。

大型船が防波堤を抜けて外洋へ向かっていく姿は、入港時とはまた違った迫力がある。
今回RE EARTH TVでは、宮古港から出港するMITSUI OCEAN SAKURAの様子を動画でも収録した。
RE EARTH TV公式YouTubeチャンネルでは、今回のMITSUI OCEAN SAKURA宮古寄港を撮影。
藤原ふ頭を離れ、宮古湾を進みながら外洋へ向かう出港シーンを映像で公開している。
写真では伝わりにくい約200mの船体のスケール感や、実際に宮古湾を航行する姿も確認できる。
宮古港のクルーズ船を記録し続けてきたRE EARTH TVにとっても、就航直後の新たな日本籍クルーズ船を地元・宮古で記録できた貴重な機会となった。
MITSUI OCEAN SAKURAと宮古港の関係は、今回限りではない。
宮古市の2026年寄港予定によると、10月30日にもMITSUI OCEAN SAKURAが藤原ふ頭へ入り、今度は「宮古港発」のクルーズとして17時に出港する予定となっている。
「寄港地」として客船を迎えるだけでなく、宮古から乗客が旅を始める発着港になる点は重要だ。
クルーズ船が地方港へ寄港する場合、乗客が数時間観光して船へ戻るケースが一般的だが、発着港となれば乗船前後の宿泊、交通、飲食などにも人の流れが広がる可能性がある。
宮古港にとって、10月30日は今回とはまた違う意味を持つ一日になりそうだ。
2026年5月、長年日本のクルーズ文化を支えてきた「にっぽん丸」が約35年間の運航を終えた。
その歴史を引き継ぐ船のひとつとして登場したのがMITSUI OCEAN SAKURAだ。
9月19日に就航し、わずか6日後には東北初寄港地として宮古港へ。
その事実は、新しい船が地方の港を積極的に巡っていくMITSUI OCEAN CRUISESの方向性を象徴しているようにも見える。
そして宮古港側から見れば、2026年は海外の大型クルーズ船だけでなく、三井オーシャンフジ、引退前のにっぽん丸、そして今回のMITSUI OCEAN SAKURAと、日本のクルーズ文化の転換点を感じさせる船が相次いで訪れる年となった。宮古市の年間予定では、2026年に多数の客船が藤原ふ頭へ寄港する計画が組まれている。
新たな日本のクルーズ船として航海を始めたMITSUI OCEAN SAKURA。
9月25日の東北初寄港は、その長い航海の歴史の中ではまだ最初の数ページに過ぎない。
その最初期の姿を宮古港で見ることができたという意味でも、今回の寄港は記憶に残るものとなりそうだ。
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