【独自取材】牛角で働く「配膳ロボット」の導入テストに密着してみた

RE EARTH TV編集部です。
岩手県宮古市の駅前にある牛角 宮古店で、配膳ロボットの導入テストが行われているということで、さっそく取材に行ってきました!

お店は17時に開店ということで、その時間に合わせてお店へお伺いすると、仕込みや配膳などを行っているスタッフの姿が。

そのすぐ側の通路には、なにやら見慣れない物体が…

なんじゃこりゃああああ!!!
何ですかこの近未来的な物体は!!
しかも、下が青く光っているではありませんか!!!!

そして、謎の物体を手慣れた手つきで操作するスタッフ…。


しかもその上には、ご飯とお肉が載っています!!
(すごい美味しそう…)

実はコレ、自動で配膳してくれるロボット。


実際に動作している様子はコチラの動画をご覧ください。

担当者にお話を聞いてみた。

一体この「配膳ロボット」が何者なのか?
そして不思議な形をしていて、それが牛角 宮古店にあるという謎。
気になりすぎるので担当者の方に聞いてみることにしました!

ロボットが待機する横で、テーブルに座る二人組を発見!

「アンドーコーポレーション有限会社」の安藤さん。
宮古市内で「トマト&オニオン」「大戸屋」「牛角」の3店舗を、釜石市の「大戸屋 イオンタウン釜石店」の計4店舗を経営されています!今回取材させていただいた「牛角 宮古店」は、2019年9月にオープン。

「明るく元気にお店を運営すること」を目標に掲げ、経営する各店舗に直接足を運びながら、スタッフとの意思疎通を密にしたりお店のDIYを直接手掛けることも。

「株式会社 USEN」盛岡支店、Servi(サービィ)担当の菊池さん。
USENといえばBGMのイメージが強いですが、普段はお店のBGMからレジまで、今ではロボットまで幅広く手掛けています。
菊池さんは、導入初日の昨日(7月8日)から「配膳ロボット Servi(サービィ)」の設定作業に携わっており、取材時は実際の営業中に「Servi」がどんな動きをするのか?何度も走行テストを行いながら設定の最適化作業を進めている最中でした。

お忙しいなか、取材に対応していただきありがとうございました!

「配膳ロボット Servi」ってどんなロボット?

(菊池さん)
このロボットの名前は「Servi(サービィ)」と言います。
商品をお客様の席やテーブルまで運んでいく、他にも片付け(下げ膳)をするスタッフのサポートを行う機械です。高感度のセンサーが搭載されていて「お客様が急に飛び出してきた」「小さいお子さんがぶつかりそうになった」という場合には、センサーが検知して走行を停止するようになっています。

それに合わせて「免震プレート」がついているので、急に止まっても動作に余裕をもたせているので、ドリンクがこぼれづらい機能が搭載されています!

配膳ロボット「Servi」背面にはSoftbank Roboticsのロゴが。

ソフトバンクロボティクス株式会社が販売している配膳ロボット「Servi」
2021年2月16日に販売が開始され、6月9日より「配膳・運搬ロボット無料お試しキャンペーン」の申込受付が開始となったばかり。3DカメラやLiDARなど、高性能なセンサーが搭載されており、最短60cmの幅でもスムーズな動きで安全に料理などを運搬することができるロボット。最大積載重量は30kgまで載せることができる。
「3年レンタルプラン」「買取りプラン」があり、3年レンタルプランでは月額99,800円×36ヶ月契約となる。

(菊池さん)
導入初日に行う事としては「Servi」がお店に到着したあと、まず最初に「店内のマッピング」という設定を行います。ロボット掃除機のマッピング機能のようなイメージですね。
店内の座席の位置、壁や障害物がどこにあるのかを「Servi」に覚えさせて、壁や障害物にぶつかることなくスムーズに「Servi」が移動できるように「マッピング作業」は重要な作業ですね。
「Servi」が入ってほしくない場所には禁止エリアとして設定しておくと、その場所には「Servi」が行くことはありません。

「Servi」に搭載されている高感度センサー

(菊池さん)
また、各座席やテーブルごとに「停止ポジション」を設定することで、移動した先のどの場所で停止するのか?どの方向を向いて停止するのか?などを自由に決めて設定することもできます!
位置情報についてはGPSではなく、マッピングした情報とロボットに搭載されたセンサーの情報を元に、ロボット自体が位置を認識して移動したり停止するような仕組みになっています。

「アンドーコーポレーション有限会社」安藤さん

(安藤さん)
最近はロボットを導入しているお店も増えていて、何ならロボットの導入を考えて通路幅や店舗の設計をするお店もあったりします。そういうお店はロボットがいることを前提にしてスタッフを配置できるので、厨房やホールには何人のスタッフが必要なのか?店舗側もより効率的なシフトでスタッフを配置できますよね。

「Servi」の導入テストで分かったこと

各テーブル席に置かれていた「Servi」の使い方

(安藤さん)
実際に「Servi」の導入テストを行ってみて、思ってた以上にスムーズな動きでしたね。
かゆいところに手が届きそうな賢さがあるなと。
他にも小さな子の飛び出しなど、急なアクションにもすぐ対応して止まってくれるので安心・安全で、運用するにあたってその部分は特に重要だと考えています。

お客様に迷惑をかけてはいけないし、従業員にもストレスをかけてはいけない。

(安藤さん)
「Servi」の他にも、他社のロボットも視察したり見てきました。
ロボットの雰囲気は楽しい感じでしたが、バグが多かったり運用面で心配になるようなロボットもいたんです。
そのなかでも「Servi」は(バグることも極稀にありますが)運用面で心配になることはありませんでした。
あとはサポート面もしっかりしていて、何かあればUSENのスタッフさんがすぐに駆けつけてくれるということで「ロボット自体の安心と安全、サポート面も充実している」ことが導入したいと思うきっかけでしたね。

「Servi」の置き場所をどうするか?

厨房前の通路にて待機中の「Servi」

(安藤さん)
ウチのお店はロボットがいることを前提に作られていないので、通路幅がとにかく狭い…。
通常でも「厨房前が狭い!」とホールスタッフから文句を言われたりすることも(笑)
なおかつ、通気孔(※上の画像を参照)といって床に段差があるんですよ!しかもその段差が店舗内に無数にあるんです!「ガタンガタンッ」という振動をロボットがどこまで耐えられるのか?が心配でしたね。

「ロボットを実際に走らせてみないと分からない」ことが一番の不安でした。

(安藤さん)
床の段差が原因でロボットが料理や食器を落としてしまわないか、実際に働いている従業員から「邪魔だ」「ロボットがいないほうが良い」と言われないか、本導入の前にテストとして実際にロボットを現場へ投入して、現場の状態を見てみたい気持ちもあったんです。
従業員もロボットと触れながら仕事をすることで「実際に働く側はロボットをどう活用してくれるのか?」も知りたくて。

操作方法はいたってシンプル。


(安藤さん)
実際に現場へロボット(Servi)を入れてみたら、初日から使いこなす従業員もいました。
やはり、従業員のなかでも年齢が比較的若い子や男性スタッフはロボットに興味を示してくれたり、操作も簡単なので積極的に使っている印象がありました。
職場にロボットがいて、ロボットと一緒に働くことに「楽しい!」「便利!」という声が自然と生まれてくれたら嬉しいなぁ…。

(菊池さん)
「Servi」の操作は簡単ですよ。
ロボットの背面にあるタッチパネルはこのような画面になっていて、座席やテーブルの番号が表示されています。ロボットに配膳してもらいたい時は、「Servi」に料理を載せてから画面の席番号を選んで、画面右下の開始ボタンを押すと、ロボットが自動的に席まで料理を届けてくれます。
複雑な操作もないので、すぐに操作方法を覚えられますし、誰でも簡単に使うことができますよ。

画面も大きいですし、忙しい時間帯でも押し間違えなどは少ないと思います!

店内で実際にロボットが稼働している様子

「Servi」が実際に動作している様子

導入テスト中は念の為、ロボットの後方にスタッフが待機しており、突然のロボットからの配膳に戸惑うお客様や品数が多い場合などは、スタッフが配膳のお手伝いをすることも。

導入テストを終えて…

(菊池さん)
このロボットの最大積載重量は35kgまで載せることができるので、お料理を提供する際の配膳から召し上がったあとの片付けとなる下げ膳まで、様々なシチュエーションで大量の食器を運ぶことができます。
「Servi」には載せる場所が3段あり、最上部と中段はそれぞれ10kgまで、下段は15kgまで載せることができます。
そして、ほぼ360度どの方向からでも、お料理を載せることができるのも「Servi」の良い部分だと思います!

(安藤さん)
そうそう!特に忙しい時間帯だと一度に大量の食器を持って配膳したり、お店によっては鉄板のプレートを配膳することがあるので、よくスタッフから「腕が筋肉痛になって大変です!」と言われることもあるんです。
「Servi」がお店にいてくれたら、重い食器の配膳はロボットに任せる…のような使い方もできるので、あまり体力に自信のないスタッフでも安心して働くことができる職場作りができると思います。

(菊池さん)
下段はフタ付きになっているので、例えばアルコール消毒液やゴミ袋をセットしておくと、テーブルの後片付け作業の際には、お店で働くスタッフさんの負担も軽減できるかと思います。

テスト導入の感想やメッセージなどあればお願いします!

(菊池さん)
みなさん、「USEN」といえばBGMのイメージがあるかと思いますが、BGMの他にもレジやロボット…様々な事業をやっています。
今回、テスト導入していただいた牛角 宮古店様のように(製品によって異なりますが)デモ機の貸し出し・テスト導入は可能なので、まずはお試しで使っていただいて、皆さんに製品を知ってほしいですね。
導入につきましては、私やUSENのスタッフができる限りのことはサポートさせていただきます!
興味がある方はお気軽にご連絡いただければと思います。よろしくお願いいたします!

 (安藤さん)
「Servi」のセンサーは思っていた以上に優秀で、優秀すぎるがゆえに小上がり席のサンダルに反応して前に進まなかったり「もう少しServiを席側に寄せられたら、お客様も料理が受け取りやすくなるかな?」というシーンがありました。
テスト導入では、そういった部分を微調整して頂いたり、スタッフが上手く操作できるのか・業務の邪魔になることなく使いこなせるのかを確認することができました。

(安藤さん)
実際に導入するのかはもう少し様子を見たいですね。
何せ、決して安くない導入費用なので(笑)
でも、上手く使えるようになれば業務効率化にも繋げられるので、今は慎重に検討していきたいです。
個人的には導入したい気持ちはありますが…もちろん前向き検討したいと思います。

安藤さん、菊池さん、お忙しいなか取材に対応して頂きありがとうございました!

お客さん側としては「ロボットがいるお店」にワクワクしたり興味をそそられますが、その裏ではスムーズにロボットが稼働するように微調整をするサポートスタッフ。
そして、実際に現場で働くスタッフや来店したお客様の反応をもとに、より良い店舗作りを支える経営者の姿がありました。

皆さんの身近にある飲食店でも「人とロボットが一緒に働いている」「ロボットが配膳してくれる」日は、そう遠くないのかもしれません。


牛角 宮古店

【店舗情報】
住所:岩手県宮古市末広町8-3
URL:https://www.gyukaku.ne.jp/shop/store.php?gid=0193773737


ソフトバンクロボティクス株式会社
配膳ロボット Servi(サービィ)
URL:https://www.softbankrobotics.com/jp/product/servi/


株式会社 USEN
URL:https://usen.com/

USEN 盛岡支店
住所:岩手県盛岡市中央通1-7-25(朝日生命盛岡中央通ビル7F)
TEL:0120-117-440 (左記番号がご利用頂けない場合 03-5548-2006)

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