【MOONDROP EVO 2発売】LDAC・LHDC-V・LC3対応。有線IEMを“完全ワイヤレス化”する新型DAC/アンプ

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水月雨(MOONDROP)は2026年10月5日、Hi-Fi完全ワイヤレスイヤーフック型DAC/アンプモジュール「EVO 2」の国内販売を開始した。

EVO 2は、リケーブル対応の有線イヤホンに接続することで、お気に入りのイヤホンをそのまま完全ワイヤレス化できるイヤーフック型DAC/アンプだ。

カスタムBluetooth SoC「MOONDROP TWS-01」と高効率Class-DデジタルアンプICを採用し、LHDC-V、LDAC、LC3に対応。さらに10バンド・パラメトリックEQ、自動チューニング、最大15時間の単体再生、充電ケース込み最大60時間駆動などを備える。

一般販売価格は16,650円(税込)。Amazon、楽天市場に加え、e☆イヤホン、ビックカメラ、フジヤエービック、ヨドバシカメラでも販売される。

手持ちの有線イヤホンを「完全ワイヤレス化」するEVO 2

EVO 2は一般的な完全ワイヤレスイヤホンとは少し性格が異なる。

イヤホンそのものにドライバーを内蔵した製品ではなく、リケーブル可能な有線イヤホンへBluetooth受信機、DAC、アンプ、バッテリー、マイクなどを追加するためのモジュールだ。

標準では0.78mm 2Pin端子を採用したイヤホンに対応。イヤホンから通常のケーブルを取り外してEVO 2を装着することで、左右独立型の完全ワイヤレスイヤホンとして使用できる。

つまり、「音は気に入っている。でもケーブルはなくしたい」という有線イヤホンユーザーに向けた製品だ。

数万円から十数万円クラスのIEMを含め、自分が気に入っているイヤホンの音響設計を生かしながら、スマートフォンとの接続だけをワイヤレス化できることがEVO 2最大の特徴となる。

なお、イヤホン本体はEVO 2には付属しない。別途、対応するイヤホンを用意する必要がある。

初代EVOの課題だった「駆動力とバッテリー」を再設計

第2世代となるEVO 2では、内部のオーディオアーキテクチャーも大きく見直された。

初代EVOでは、高い駆動力を確保するためBluetooth SoCと従来型Hi-Fi DAC/ヘッドホンアンプICを組み合わせていたが、その代償としてバッテリー駆動時間が制限されるという課題があった。

EVO 2ではここを刷新。

22nmプロセスの低消費電力カスタムBluetooth SoC「MOONDROP TWS-01」と、高効率Class-DデジタルアンプICを組み合わせている。

MOONDROPによれば、採用したデジタルアンプの動作効率は90%を超え、低消費電力ながらハイエンドイヤホンにも対応できる駆動力を狙ったという。

単なる「EVOのBluetoothバージョンアップ」ではなく、音質・出力・消費電力のバランスそのものを再設計した第2世代モデルと見る方が正確だろう。

最大24bit/192kHzのLHDC-V、LDAC、LC3まで対応

Bluetoothオーディオについてもかなり攻めた仕様となった。

EVO 2は、

LHDC-V(LHDC 5.0)
LDAC
LC3
AAC
SBC

に対応する。

特にLHDC-Vでは最大24bit/192kHz、LDACでは最大24bit/96kHzの伝送に対応。電波環境や周囲の干渉、接続デバイスの性能などに応じて伝送を最適化する機能も備える。

さらに次世代Bluetoothオーディオ規格「LE Audio」で利用されるLC3(Standard)にも対応する。

高音質コーデックだけでなく、次世代の低遅延Bluetoothオーディオまでカバーしている点は、イヤーフック型DAC/アンプとして大きなポイントだ。

ただしLDACやLC3は、MOONDROP専用アプリから手動で有効にする必要がある。LDAC使用時は消費電力が増加し、通信環境によっては音切れなどが発生する可能性もあるため、最大60時間というバッテリー性能は常に保証されるわけではない。

第2世代DSP搭載。イヤホンそのものを「再チューニング」できる

EVO 2で興味深いのが、第2世代ユーザー参加型DSPだ。

単純なプリセットEQではなく、10バンド・パラメトリックEQを利用して周波数、ゲインなどを細かく調整できる。

さらに周波数特性データベースを参照し、クラウド上に用意されたターゲット特性へ近づけるワンタッチ自動チューニングにも対応する。

例えば、所有するイヤホンの基本的なサウンドは気に入っているものの、

「低域を少し抑えたい」

「ボーカルを前に出したい」

「別のターゲットカーブへ近づけたい」

といった場合、EVO 2側のDSPから調整できる。

さらに作成したチューニングデータはクラウドへアップロードでき、ほかのユーザーが作った設定をダウンロードして自分のイヤホンへ適用することも可能だ。

共有リンクを利用したSNSでのチューニング設定共有にも対応している。

これまで「ケーブル交換」や「イヤーピース交換」で音の変化を楽しんできたIEMユーザーに対して、DSPそのものを共有するという新しい遊び方を提案している点もEVO 2らしい。

最大15時間+ケース45時間、合計最大60時間へ

ワイヤレス化すると避けられないのがバッテリー問題だ。

EVO 2は、イヤーフック単体で最大15時間の連続再生に対応。

さらに充電ケースから約3回分を充電でき、追加で最大45時間。合計すると最大60時間使用できる計算になる。

測定条件は、イヤーフックとケースを満充電にした状態でAACコーデック、音量50%による連続音楽再生となる。

高音質なLDACやLHDC-Vを使用した場合や、実際の音量・通信環境によってバッテリー時間は変化するものの、初代モデルで課題だった長時間駆動を大幅に意識した設計であることは間違いない。

通勤・通学だけでなく、旅行や長時間の撮影、デスクワークなどでも充電頻度を抑えられる。

充電ケースは「高級IEMを運ぶケース」として設計

EVO 2では、充電ケースも一般的なTWSイヤホンとは異なる。

ケース自体を防水・防塵・耐圧性能を備えた保護ケーススタイルとし、ダイヤル式の圧力調整バルブまで装備する。

さらに内部には専用フェルトとスポンジを用意。

イヤホンのフェイスプレートがケース内部と擦れることによる傷を抑えながら、収納時のがたつきを軽減する。

EVO 2は数千円のイヤホンだけでなく、高価なカスタムIEMやハイエンドIEMと組み合わせる可能性もある。

だからこそ、単なる「充電する箱」ではなく、接続したイヤホンごと保護して持ち歩く収納ケースとして設計されているわけだ。

MMCX/FitEarにも対応予定、イヤーフック端子を交換可能

標準の0.78mm 2Pinだけで終わらない点も特徴だ。

EVO 2ではイヤーフック側の端子部分を交換できるモジュラー構造を採用している。

MOONDROPは今後、別売でMMCXおよびFitEar対応イヤーフック端子を発売する予定としている。

これによって将来的には、0.78mm 2Pin以外のイヤホンでもEVO 2を使える可能性が広がる。

複数のIEMを所有するユーザーから見ると、EVO 2本体を買い替えるのではなく、接続部分だけを交換して使い回せることになる。

イヤホン本体よりもBluetoothモジュール側の製品寿命が短くなりがちな市場だけに、この構造は興味深い。

デュアルマイクENCと60msゲームモードも搭載

音楽再生だけでなく、通話やゲームにも対応する。

左右それぞれに2基のマイクを内蔵し、ビームフォーミングを利用したENC(Environmental Noise Cancellation)を搭載。

周囲のノイズを抑えながら話者の声を収音することで、通話品質を高める。

さらにイヤーフック部のタッチパネルを4回連続でタップすると、約60msの低遅延ゲームモードへ切り替えられる。

FPSなど映像と音のタイミングが重要なゲームを想定した機能で、通常の音楽モードとの切り替えも同じ操作で行える。

なお、60msはチップ仕様に基づく数値であり、実際のシステム全体の遅延は接続機器や環境によって異なる可能性がある。

MOONDROP EVO 2 主な仕様

項目EVO 2
製品タイプ完全ワイヤレスイヤーフック型DAC/アンプ
標準イヤホン端子0.78mm 2Pin
BluetoothBluetooth 6.0
コーデックSBC/AAC/LHDC/LDAC/LC3
LHDC-V最大24bit/192kHz
LDAC最大24bit/96kHz
DSP第2世代ユーザー参加型DSP
EQ10バンド・パラメトリックEQ
通話デュアルマイク・ビームフォーミングENC
ゲームモード約60ms
単体再生時間最大15時間
ケース併用最大60時間
通信距離最大約10m
充電USB Type-C
充電時間約2時間
交換端子MMCX/FitEarを今後別売予定
価格16,650円(税込)

価格は16,650円、本日10月5日から販売開始

EVO 2の国内一般販売価格は16,650円(税込)。

2026年10月5日からAmazon、楽天市場で販売されるほか、e☆イヤホン、ビックカメラ、フジヤエービック、ヨドバシカメラなどの店頭でも取り扱う。

注意したいのは繰り返しになるが、16,650円で購入できるのはEVO 2のDAC/アンプモジュールであり、写真などで装着されている有線イヤホンそのものは付属しないことだ。

初めて購入する場合は、手持ちのイヤホンが0.78mm 2Pinに対応しているか確認しておきたい。

「お気に入りの有線イヤホンを捨てない」ためのワイヤレス化

完全ワイヤレスイヤホン市場では、新しいモデルが登場するたびにドライバー、ANC、マイク、Bluetoothチップ、バッテリーまでを丸ごと買い替えるのが一般的だ。

EVO 2の考え方は、その逆に近い。

音を作るイヤホン部分は自分のお気に入りを使い続け、ワイヤレス通信とDAC/アンプ部分だけをアップデートする。

この構造なら、1つのEVO 2へ複数のIEMを付け替えて楽しむこともできる。

さらに10バンドPEQや自動チューニング、ユーザー同士でのDSP共有、LDAC/LHDC-V/LC3、最大60時間再生まで組み合わせたことで、「ケーブルをなくすためのBluetoothアダプター」から一段踏み込んだ。

有線IEMの音と、完全ワイヤレスの身軽さ。その両方を諦めたくないユーザーへ。

EVO 2は、成熟した完全ワイヤレスイヤホン市場とは別の方向から、有線イヤホンを“次の世代へ延命する”ための選択肢を提示する製品になりそうだ。

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